トップメッセージ

代表取締役社長 腹巻 知

カーボンニュートラルへの対応

次世代型給湯機器の開発や、自社施設への創エネ設備導入などで CO₂削減を加速

深刻化する気候変動問題を背景に、世界的にカーボンニュートラルへの動きが加速しています。当社の主力製品の給湯機器は、CO₂を排出する製品であるため、CO₂排出量の削減は事業の根幹にかかわる問題であると認識しています。

当社グループでは以前から低炭素・脱炭素社会の実現に向けて積極的な取り組みを進めてきましたが、2022年に目標をさらに高く引き上げました。新たなロードマップでは「お客さまが製品使用時に排出するCO₂を、2030年までに30%削減(2018年度比)すること」および「事業活動によるCO₂排出量を、2030年までに50%削減(2018年度比)すること」さらには、「2050年までにカーボンニュートラルを実現すること」を目標値として掲げています。

これらの高いハードルをクリアしていくには、従来の活動の延長線だけでは困難です。まずは、当社がお客さまに提供するガス給湯器をより消費エネルギーの少ない、高効率の製品に積極的に変えていきます。潜熱回収型(コンデンシング)の高効率ガス給湯器「エコジョーズ」や、ガスとヒートポンプを組み合わせたハイブリッド給湯システムなどの高効率温水機器、あるいは太陽熱利用システムなどの創エネルギー機器といったCO₂削減に貢献する製品や技術の開発と普及に積極的に取り組んでいきます。同時にリモコンやスマートフォンのアプリでの「CO₂の見える化」など、適切で具体的な環境情報を、お客さまにわかりやすく提供していく活動を推進します。

このような「製品を通じたCO₂削減」を進めると同時に、「事業活動によって排出されるCO₂の削減」にも注力していきます。当社グループは2020年12月に日本企業45社目となるRE100に加盟しており、2030年までに国内の生産事業所で、さらに2050年までに海外を含む全事業所でのRE100達成を目指しています。また、2022年1月からは、インターナルカーボンプライシング(炭素排出量への価格付け)を導入し、CO₂削減につながる設備投資の優先順位を引き上げています。これらの活動が評価されCDPの「気候変動部門」において最上位レベルのリーダーシップに位置する「A-」スコアに認定されました。

「脱炭素」は当社の未来を考えていくうえで避けて通れない重要課題ですが、それは自分たちの事業形態そのものを大胆に変革するチャンスでもあると考えています。人々の暮らしや産業に欠かせない「お湯」を提供するという、社会のインフラ的な役割を担う企業として自らのミッションを捉え、社会とともに持続的な成長を目指していきます。

日本政府の目標改定を受け、ノーリツグループもCO₂排出量削減目標を改定

Q+ESG の取り組み

社会・環境課題と事業課題の融合により企業価値向上を目指す

当社グループは2014年から品質(Q)を最重視し、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)への取り組みを価値創造の基盤とする「Q+ESG経営」を進めています。2020年には「社会・環境長期ビジョン2030」と「Vプラン23」の策定に合わせてマテリアリティを見直し、2023年をターゲットに全10テーマの課題を設定しました(P.23参照)。Q+ESG戦略として推進し、社会・環境課題と事業課題の融合を進めています。

Q(品質)についてはメーカーの最重要課題と位置づけ、設計・生産・施工全てのフェーズで継続的な品質向上に努めてきた結果、経済産業省主催「令和4年度製品安全対策優良企業表彰」にて優良賞を受賞しました。「Vプラン23」では、不良率(故障率)を2020年の半分まで引き下げることを目標に取り組んでいます。

E(環境)については、先述したように「製品使用によるCO₂削減」「事業活動におけるCO₂削減」の両輪でカーボンニュートラルの実現に貢献していくほか、生産活動に伴う廃棄物の削減、使用済み製品におけるリサイクルの拡大、さらには、サーキュラーエコノミー、カーボンオフセットサービスを利用した森林育成・生物多様性の保護などにも注力していきます。

S(社会)については、高齢者の入浴事故を防止する見まもり機能や衛生ニーズの高まりに対応した除菌機能搭載の給湯器、共働き世帯の家事負担を軽減するマルチグリル搭載コンロなど商品・サービスを通じた社会課題解決に努めています。また、人的資本をさらに高めていくために、従業員エンゲージメントの向上、次代を担う人材の育成やダイバーシティの推進、働き方改革、健康経営などの取り組みを積極的に進めています。

G(ガバナンス)に関しては、取締役会の実効性評価の深化、スキル・マトリックスやサクセッションプランとの連動、役員報酬制度への中期インセンティブ導入を検討するなど、意思決定の迅速化とともにガバナンス機能の強化を進めてきました。今後も気候変動リスクに対する情報開示や取締役会の多様性確保など、改訂コーポレートガバナンスコードへの対応にも努め、企業価値向上につなげていきます。

なお、ノーリツは2012年に国連グローバル・コンパクトに署名し、4分野10原則に基づいた事業活動に取り組んでいます。

代表取締役社長 腹巻 知

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