トップメッセージ

社会から必要とされる企業であり続けることにコミットし企業価値を高めます 代表取締役社長 國井 総一郎

ノーリツの再生に向けて

2019年はノーリツグループにとって大きなターニングポイントとなる1年となりました。
国内事業は第一四半期に主力の温水機器の需要が90%を割り込んだこと、海外事業では中国経済への米中貿易摩擦などの影響で中国での個人消費が落ち込んだことにより、上半期の決算は連結で営業赤字となりました。その後、国内では消費税増税に伴う駆け込み需要や、シェアアップ・売価改善の施策が奏功し、年間を通じて国内事業は昨年を若干下回るも23億円の営業利益となりました。一方、海外事業においては回復の兆しが見えない中国市場の影響と、2019年に実施したM&A関連費用の計上などが重なり、大きく営業利益を落としました。

2020年以降も事業環境は、依然として厳しいものになると考えています。国内住宅市場では新築着工が減少し、取替需要がメインターゲットとなります。また、お客さまの購買行動も多様化しています。生産活動の面では、素材価格の変動や製造現場の人手不足、物流費用の高騰が今後も続いていきます。グローバルではエネルギー効率の悪い機器を使用している地域も多く、成長が見込める一方、今後は世界中でCO2やNOxの排出などの各種規制がより強化され、地球環境に対する配慮、気候変動に対する具体的な対策が求められると予測されます。

このような中で、中期経営計画「Vプラン20」の最終年度を迎えるにあたり、公表していた2020年度の業績計画の達成は事実上困難であるため、大きく方針転換を図ることが必要となりました。具体的にはこれまで取り組んできた「住設システム分野」から撤退し、ノーリツの従業員から希望退職を募ることを決断しました。2020年はノーリツの未来のための構造改革フェーズと位置づけ、売上高1,900億円、営業利益28億円を目標に取り組みます。

2019年実績

2019年実績
2019年実績

中期経営計画「Vプラン20」(目標年度2020年)

売上高 営業利益 経常利益 ROE
2016年12月 設定当時 2,400億円 240億円 250億円 8%
2018年8月 時点目標 2,200億円 100億円 110億円 5%
2020年2月 目標※1 1,900億円 28億円 36億円 ※2
  • ※12020年住設システム分野撤退含む、単年目標
  • ※22020年のROEについては親会社株主に帰属する当期純利益はマイナスとなる見込みのため記載しておりません

中期経営計画「Vプラン20」 4つの重点施策

2019年の取り組み

重点施策1 事業ポートフォリオの「再構築」

温水空調分野に経営資源を集中

  • 住設システム分野からの撤退決定
  • 厨房分野の原価低減
重点施策2 国内事業の「収益力強化」
  • 総費用の削減
  • シェア拡大と商品ミックス改善
重点施策3 海外事業の「継続拡大」
  • 中国需要縮小への対応
  • 暖房・業用商材の拡販
  • 北米エリアのM&A
重点施策4 企業風土の「改革」
  • 機関設計変更と経営体制の変更
  • Q+ESGの施策の推進

ノーリツの事業活動について

ノーリツグループのミッションである「新しい幸せを、わかすこと。」は、ノーリツの機器が人々の生活と非常に密接に関わっていることに由来しています。2019年も度重なる自然災害により、電気・ガス・水道などのライフラインが寸断され、人々が不自由な生活を余儀なくされました。これらのライフラインに密着して利用されるのが、おふろやお湯をわかす給湯機器であり、調理するためのガスコンロであることから、私たちの事業は人々の生活になくてはならない事業であると考えています。だからこそ私たちの会社は人々により良い製品を継続してお届けすることが責任であり、事業を途絶えさせてはならないと考えています。
住設システム分野は参入当時、新築住宅着工が堅調で様々なメーカーが業績を伸ばしている市場でした。また、おふろや台所の様式が変わり、リフォーム・取替需要も発生し、ノーリツ製品は多くのお客さまにご愛用いただきました。しかし、温水機器との相乗効果を見出すことはできず、他社と同じ土俵での競争に止まりました。やがて住宅市場が陰りを見せるとともに競争力を失い、商品面・コスト面で優位性を築くことができませんでした。

また、過去ノーリツは事業規模を拡大し成長させていく過程において、間接部門に多くの人材を抱えることになりました。
すでに日本の人口は減少局面に入り、住宅市場においても空き家問題が深刻化するなど、国内市場の将来は私たちの業界にとってさらに厳しい環境になります。そのような中で、不採算分野である住設システム分野からの撤退と、人員適正化により固定費の圧縮を図り、筋肉質な経営基盤を構築するために希望退職募集という決断に至りました。
構造改革後の具体的な設計図として、国内事業において将来的には営業利益50億円を目標としています。この構造改革に関わる一時費用として2020年に特別損失85億円の計上を予定していますが、この構造改革は必要かつ意味のある重要な改革であり、ノーリツの経営として早期にやり切る覚悟をもって臨んでいます。

世界中で必要とされるノーリツグループへ

海外事業

2011 2016 2020計画
売上高 138億円
海外売上比率
7.5%
574億円
海外売上比率
27%
550億円
海外売上比率
29%
営業利益 △1億円 29億円 3億円
温水機器年間販売台数 60万台 120万台 130万台

製品展開地域

製品展開地域

2020年からも引き続き、国内事業の収益力強化と、海外事業の継続拡大に向けて取り組んでいきます。
国内事業においては、お客さまの購買行動の変化に合わせ、ノーリツがお客さまに直接アプローチするための情報チャネル「NORITZマイページ」を開設し、商品だけでなくお客さまの生活を豊かにする情報や、お客さま同士で情報を交換し合えるコーナーも運営しています。また、機器を安全にご使用いただくために、使用開始から10年経過すると点検時期をお知らせする「点検お知らせ機能」を、2009年以降発売したほぼすべての家庭用給湯機器に搭載しており、これをきっかけとした点検受付件数も順調に増えています。これらを軸にお客さまとの接点を強化し満足度向上を目指します。
一方、ものづくりにおいては人手不足の中でも安定して製品が供給できるよう、最終組立ラインの自動化を軸とした投資を行います。商品開発においても、より多くの種類やシリーズで部品や部品ユニットの共通化を進め原価低減に努めます。
海外事業においてはエリア毎の施策を強化します。これまで能率(中国)投資有限公司と櫻花衛厨(中国)股份有限公司で個別に取り組んできた中国エリアにおいては、3つの工場の今後の活用について検討するなど構造改革を進めます。北米エリアにおいては2019年にPB Heat, LLCと業用会社をグループ化し、事業拡大に向けた取り組みをスタートしています。
また、アジア・オセアニアエリアでは、今後も高い成長が見込まれる東南アジア市場での事業基盤を確保するため、2020年2月にベトナムの浄水器・家電メーカーであるVietnam Australia Refrigeration Electrical Engineering Group JSC(Kangaroo)の株式を44%取得する契約を締結しました。

持続可能な企業価値向上を目指して

企業価値創造の取り組み方針

ノーリツグループは企業価値を創造していくために社会的価値・経済的価値・ブランド価値の3つの価値を高め、これらを融合し、拡大していくことを取り組み方針としています。そのためには企業価値創造の源泉である「Q(品質)+E(環境)S(社会)G(ガバナンス)」を大切にしていく必要があると考えています。
社会の要請や期待を確認し、自社の事業と融合していく機会として2015年より社外有識者とのステークホルダーダイアログを毎年開催しています。2019年はマテリアリティをQ+ESGの各項目に分類し再整理して取り組みました。
中でも、その取り組みを行う人材の活性化が重要だと考え、従業員一人ひとりの個性や強みを最大限に発揮できるよう努めています。今回の構造改革にあたり「未来をきりひらく人」こそが私たちが求めている人材像であることを明確に示しました。現場の若手従業員が主役となり活躍できる組織運営に変え、元気で活力にあふれる会社を目指します。

企業価値創造の取り組み方針

企業価値創造の源泉

企業価値創造の源泉

世界で環境をリードする企業を目指して

持続可能な社会の実現を目指す国際的な枠組みへの対応は不可欠です。2015年に国連で採択された「SDGs」(持続可能な開発目標)の中でも、「No.13」(気候変動対策)と、「No.12」(つくる責任/つかう責任)の2つの目標がノーリツグループの事業活動と深く関わっています。これらの目標達成に向けパートナーとともに取り組んでいきます。
特に、気候変動対策は「パリ協定」で採択された世界共通の課題であり、ノーリツグループの財務にも影響を及ぼすものとして認識しています。CDPへの情報開示に努めるとともに、シナリオ策定やリスクと機会の明確化を通じて2030年に向けた環境ビジョンを策定しました。
ノーリツグループは給湯時の熱効率が高い「エコジョーズ」など、環境負荷の少ない製品の普及に取り組んでいます。これからも日本で培った技術を世界に展開し「世界で環境をリードする」企業を目指していきます。

「エコジョーズ」はこれまで捨てていた排熱を活用してお湯をつくります。ガスエネルギーの95%をお湯に変える環境性能のよい給湯器です

「SDGs」持続可能な開発目標

SDGs

ノーリツグループが特に重視するSDGs目標

SDGs目標

さらなる成長に向けたガバナンス体制の強化

コーポレートガバナンスの実効性をより高め、中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、2019年に監査等委員会設置会社に移行しました。4月からの新取締役会は取締役の人数を削減するとともに社外取締役の比率が高まり、これまで以上に活発で社外の視点を反映した場となっています。運営面でも中長期視点での経営全般に関わるテーマの審議に集中できるよう工夫しています。
経営体制の面では各本部組織に常務執行役員を配置し、執行への権限委譲を進めることで、よりスピーディーな施策の実行につなげています。
今後も事業戦略との整合性や意思決定の迅速化を図り、経営の健全性・透明性を高めるとともにコーポレートガバナンス・コードへ積極的に対応していきます。

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