品質の取り組み

品質向上への取り組み

品質を最重視し、一歩先行く製品・サービスの提供をバリューに掲げるノーリツグループでは、「お客さま満足を最優先に考え、ものづくり・販売・サービスの品質を高めるすべての事業活動が、本業を通じておこなうCSR活動である」と考えています。ものづくりや販売などの部門の垣根を越えたコミュニケーション交流から生まれる気づきを、さらなる"品質の向上=CSR推進"へつなげていく取り組みをおこなっています。

開発設計からアフターサービスまでお客さまに信頼いただける品質管理体制を構築しています。

製品ライフサイクルの各ステージにおける品質向上への取り組み

第1ステップ

関係部門のメンバーが集まり、品質向上のために取り組んでいる業務に関する、「社会からの要請と期待」と「大切にする思い」を話し合い、製品品質だけでなく、すべての事業活動において「お客さま満足」を最優先することの重要性を確認します。

第2ステップ

各々のメンバーが品質向上のために取り組んでいる業務を、製品ライフサイクルと照らし合わせ、各ステージ毎に、今後取り組むべき業務と中長期目標達成に向けた思いを話し合い、課題を抽出します。

製品ライフサイクル:製品の設計から、お客さまに満足してご使用いただき、新たな製品にお取り替えいただくまでの各ステージを通した一連の事業活動。

第3ステップ

第2ステップで抽出した課題について「目指すべき品質」「大切にする思い」「現状の取り組み」をメンバーで共有し、主管部門を確認し課題を設定します。

最終ステップ

それぞれの課題について取り組みを開始し、その中で新たに気づいた課題の設定と各課題の深堀り・詳細化をおこないます。

製品ライフサイクルの各ステージにおける品質向上への取り組み

点検を通じたお客さまへの安全・安心の取り組み

「点検お知らせ機能」で安全・安心な暮しをサポート

経年劣化による事故や故障を未然に防止するため、ノーリツはほぼすべての給湯機器に「点検お知らせ機能」を搭載しています。搭載開始から10年を経た2019年よりこの機能が本格的に作動し、多くのお客さまからお問い合わせや点検のお申込みをいただいています。点検を受けていただくことで突然の故障を予防し、お客さまに安心してご使用いただくとともに、故障前に余裕を持って、より快適性・経済性に優れた最新機器を選択できるようになります。

製品に関する大切なお知らせ 点検時期のお知らせについて

製品開発における品質向上への取り組み

スーパーコンピューターを活用したシミュレーションの実施

解析技術を活用し、あらゆる環境下を想定した設計シミュレーションを実施し、効率よく、安定した品質を発揮する製品を開発しています。
給湯機器製品はあらゆる環境下で設置されます。ノーリツでは、いかなる環境下でもばらつきが少ない安定した品質を発揮できる製品を開発するため、設計段階でCAE(Computer Aided Engineering 数値解析)を活用しつつ、大規模計算が必要な際には、スーパーコンピューターも活用ながらシミュレーションを実施しています。スーパーコンピューターを活用することで、これまで計算精度に課題を要していた燃焼性能の改善検討や出湯性能の予測、機器運転音の可視化・低騒音化に向けた検討が可能となりました。これからもこうしたCAEを活用し、よりよい製品づくりに役立てて参ります。

ブンゼン燃焼構造の燃焼解析モデル(火炎モデル可視化)

ブンゼン燃焼構造の燃焼解析モデル
(火炎モデル可視化)

ブンゼン燃焼構造の燃焼解析モデル(燃焼反応熱の可視化)

ブンゼン燃焼構造の燃焼解析モデル
(燃焼反応熱の可視化)

ファン周りの流体解析モデル(非定常流れの可視化)

ファン周りの流体解析モデル
(非定常流れの可視化)

数値解析活用による部品開発精度の向上

CAE(Computer Aided Engineering 数値解析)を利用することで、ばらつきが少ない安定した部品開発が可能となっております。例えば、顕熱を主に回収する1次熱交換器においては、お湯へ熱交換するパイプに高い熱応力が掛かるため、構造解析や熱流体解析といった数値計算を用い、より低い熱応力が得られる構造の立案を行っております。また、潜熱回収用の2次熱交換器においては、燃焼ガスの流れと伝熱管配列を最適化しつつ、寸法ばらつきが生じた際にも熱効率への影響が少ない配列構造を確立しております。これらCAEの活用により、高い精度の部品開発が可能となっております。今後もこうしたCAEを活用し、部品品質向上に努めて参ります。

1次熱交換器の構造解析モデル(熱応力分布の可視化)

1次熱交換器の構造解析モデル
(熱応力分布の可視化)

2次熱交換器の流体解析モデル(燃焼ガス圧力分布の可視化)

2次熱交換器の流体解析モデル
(燃焼ガス圧力分布の可視化)

3D(立体)プリンター活用による高品質な試作モデルの設計

3Dプリンターを活用し開発初期に様々な形状の試作・検討をおこない、高品質な部品設計をおこなっています。例えばファン開発では、数値解析で得られた予見性能を早期に3Dプリンターモデルにて検証することで、解析と実験の相関性を高めながら、最適なファン形状が得られる開発を実現しております。

3Dプリンターモデル(シロッコファン 分解図)

3Dプリンターモデル
(シロッコファン 分解図)

不具合の未然防止への取り組み

「お客さまに、ノーリツの製品を安心してご使用いただく」ために、設計の早い段階から不具合の未然防止に取り組んでいます。潜在的な故障・不具合を体系的な分析方法を用いて解析し、製品・部品を設計しています。特に設計上の変化点には注意を払い、関連部門の力を集結し、製品の限界を超えた事態まで予測した上で不具合を発生させないための検討をおこない、安全・安心な品質を目指して設計を進めています。

不具合の未然防止への取り組み

生産品質向上への取り組み

お客さまの信頼を得て、持続的な成長を果たすためには、生産品質の向上は必要不可欠の条件です。生産品質を向上させると、安定した生産が可能になるため、生産効率の向上・標準化につながり、多品種・小ロットでもお客さまの希望される納期どおりにお届けすることが可能になります。
このため、調達から生産・物流までのものづくりの現場の各工程で起きた事実を起点に、ノーリツグループと取引先さまが一丸となって真因を究明、全員で解決にあたっており、この取り組みが生産・物流品質向上の鍵と考えています。
拡大する海外での活動に対応することも視野に入れ、これからも生産品質向上に全員で取り組み、お客さまの安全・安心で快適な生活を支える商品を提供していきます。

品質管理の取り組み

製品品質の安定・向上は、いかに不良・不具合の予兆を見つけるか、そして、経験した不良・不具合の失敗を次に活かせるかがポイントとなります。ノーリツでは現在、予兆の発見活動として重要な寸法管理に加え、計測が難しい機能・性能ファクターを数値化し、定期的な監視や、ばらつきを防ぐ生産方法の検証をおこなっています。
また、不良・不具合に対して「なぜなぜ分析」を1つの方法として真因を解析・追及し、類似部品・類似加工などに横展開をおこなって再発を防止しています。
一方、過去の不具合事例や個人の知見・ノウハウを体系化し、全社で共有する手法「SSM(ストレス-ストレングスモデル)」を導入し、不良・不具合の再発防止、未然防止を図るための活動を強力に進めています。
このような活動は当社だけでなく、グループ会社や協力会社を含め広範囲に展開して、品質向上に努めています。

営業品質向上への取り組み

お客さまおよびビジネスパートナー(代理店さま、販売店さま)との接点機会が多い営業部門は、日々の活動そのものが顧客満足(CS)へつながる部門です。営業部門では、「お客さまに選ばれる組織風土」との考え方からデジタル活用・オンライン化による営業品質の向上に努めています。
従来業務をデジタル化・オンライン化へ変革することは、営業品質を向上させ業務効率化・生産性向上へつながります。また、デジタル化・オンライン化はノーリツだけでなく、ビジネスパートナーの業務負荷軽減を目的に業界全体の効率化・生産性向上を目指し取り組んでいます。

デジタルツールの活用

タブレットPCや動画を用いてお客さまへ分かりやすいプロモーション活動を努めるとともに、LINE公式アカウント「ノーリツ/お湯netチャットボット」で「いつでも・どこでも」スマホ1台でビジネスパートナーが製品仕様検索・在庫検索・修理依頼などの業務が可能となり、お客さまへのサポートがより迅速となるデジタルツールを提供。
また、FAX等の発注業務においても、ビジネスパートナーへWEB-EDIの導入を推進しています。紙媒体による受発注業務からEDI受発注によるデジタル化を促進し、ビジネスパートナーと一体となって業務効率化による営業品質向上を進めています。

物流品質の向上への取り組み

物流業界同様に物流業務の作業者(成り手)不足を睨み、積極的にマテハン自動化設備の導入検討を図っていきます。

物流品質の向上

品質会議の定期開催

年2回、運送会社や構内協力会社を招き、合同品質会議を実施。各現場での取り組みや改善内容を発表し、事例や情報の横展開をおこない、品質向上に取り組んでいます。

構内品質会議

構内品質会議

送品質会議

送品質会議

運送会社さまへの定期巡回

定期的に契約運送会社さまの現場訪問をおこない、プラットホームや荷扱いの状況を視察し、問題点があればすぐに改善を実施しています。また、運送会社さまとの意見交換により、配送品質の向上に取り組んでいます。

運送会社への巡回視察

運送会社への巡回視察

フォークリフトコンテストの開催

フォークリフトコンテストを通じ、運転技能を高め、配送品質の向上と安全作業の徹底につなげています。また、遵法精神についても学びの場としています。

フォークリフトコンテスト

フォークリフトコンテスト

ホワイト物流を意識した取り組み

工場・倉庫から商品を出荷する際はパレットを活用し、荷役時間を削減するとともに、荷待ち時間の発生がないよう、ダイヤに基づいた運用を実施しています。また、営業部門に対して出荷の平準化に向けて情報の発信・協力依頼を実施し、効率の良い出荷に向けて取り組んでいます。

物流機能の強化

ストア改善

製品鮮度を保つための先入先出の徹底と、倉庫運用の効率化及び、出荷作業の生産性向上を目指して、マテハン自動化設備導入含め、絶え間なく倉庫の改善をおこなっています。

人材教育/改善提案強化

安全確保と生産性の向上を目指し、改善提案の提出を奨励しています。優秀な提案に対し、毎年表彰をおこない従業員の意識向上を図っています。

環境対応

積載率向上による運送便数の最適化への取り組み

出荷量に応じて運送便数を最適化することで、ドライバー不足に対応するとともに、運送コストの低減や環境保全へつなげています。

幹線便減便への取り組み

環境対応につなげるために、配送リードタイムや出荷拠点の見直し、出荷量を事前に調整することで、幹線便の減便に取り組んでいます。

物流機能を3PLへ移行

2023年3月から物流機能を3PLに移行し、配送拠点を東西8拠点から2拠点に集約しました。製品のお届けにかかわるトラックの積載効率を最適化することで、環境負荷低減につなげます。物流費アップの抑制、BCP、DXへの対応などの効果も発揮します。物流会社とリアルタイムの情報共有も可能にし、生産からお客さまの元にお届けするまでのプロセス変革で、スマート工場とトレーサビリティを実現します。

運輸企業が荷主から一括で受託し物流業務をおこなっていくこと。

アメリカ向けコンテナ配送のパレットを改良し積載効率向上

コンテナ配送には、通常フォークリフトで運ぶため125mmのパレットを使用しますが、積載効率向上のため約1mmのシートパレットを採用しました。その結果、商品によっては3段積みが可能になり、また、積載が2段の商品については空いたスペースにリモコンや排気部材などのオプション品を積むことで積載効率を向上させています。

お客さまサービス品質の向上への取り組み

ノーリツグループでは、お客さまのお問い合わせやご意見を真摯に受けとめ、ものづくりや各種サービスに反映することにより、信頼関係の構築に取り組んでいます。このため、日々お客さまと対応するコンタクトセンターでは、お客さまとのコミュニケーションに重点を置き、以下の取り組みをおこなっています。

電話応対技能資格取得

公益財団法人「日本電信電話ユーザ協会」が認定する「電話応対技能検定(もしもし検定)」の資格取得を、会社として推奨しており、現在、指導者級(S級)を含め多数の資格取得者が在籍しています。
今後も資格取得を通じて、サービス品質向上につなげていきます。

電話応対研修の充実

電話応対技能検定の資格取得者が講師となり、新人からキャリアのある電話応対者まで、そのレベルに合わせた電話応対研修を計画的に実施しています。

お客さまとの応対モニタリングによる指導・育成

お客さまとの会話を録音することにより、適宜応対内容の品質を確認するとともに、定期的に応対品質チェックと改善点のフィードバックをおこなっています。

施工品質の向上への取り組み

指定施工店認定制度

指定協力施工店の作業従事者を対象に、工事マナーや安全に関する教育と共に、分野別設置認定研修を実施しています。研修受講者には、研修受講の証明と共に、ノーリツ協力施工店 作業従事者である証明として、施工IDカードを発行しています。

  • 『施工ID(安全衛生教育)』登録研修
  • 『給湯機施工認定』登録研修
  • 『温水暖房施工認定』登録研修

アフターサービス品質の向上への取り組み

ノーリツグループでは、自社修理対応の品質向上を目指して、サービス認定店を対象とした「サービス認定制度」と「サービス技能コンテスト」を実施しています。
修理対応はサービス認定を受けた資格者が行います。
「サービス認定制度」では、サービスに必要なノウハウについての研修を受講して頂き、合格した証として「サービス認定証」を発行しています。
サービスの技術・応対・提案力の向上を目指す、「サービス技能コンテスト」の予選会、全国大会を定例化し実施しています。

サービスマンコンテストの様子
サービスマンコンテストの様子

サービスマンコンテストの様子

社外評価

第16回製品安全対策優良企業表彰」

大企業製造事業者・輸入事業者部門で「優良賞」を受賞

当社では、お客さまに安全・安心な暮らしを提供するため品質を最重視した活動を進めています。2022年はそれらの取り組みが認められ、経済産業省が企業や団体の製品安全に関する優れた取り組みを表彰する「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」で「優良賞」を受賞しました。給湯器への「点検お知らせ機能」の搭載による経年劣化事故の未然防止のほか、生産ラインにおける機械および有資格検査員の五感による製品の全数検査、"見まもり機能"を有するリモコンによる入浴事故防止に向けた取り組みが評価されました。

大企業製造事業者・輸入事業者部門で「優良賞」を受賞,2022 製品安全対策優良企業経済産業省

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