ノーリツは、これまでも2015年のマテリアリティ策定以来、社会や事業環境の変化に合わせて見直しを行っています。
2030年に向けた「社会・環境長期ビジョン」と、2023年に向けた「中期経営計画(Vプラン23)」の策定を機に、マテリアリティの見直しを行いました。
ノーリツはQ+ESGを将来財務と捉え、それを企業価値創造の基盤としたQ+ESG経営を行っています。2030年に向けた課題と目標を達成すべく、2023年をターゲットにQ+ESGの分類で全10テーマのマテリアリティを設定し、Q+ESG戦略として取り組み、社会環境課題と事業課題の融合を目指していきます。
社会・環境長期ビジョン2030
地球環境への
責任を果たす
ノーリツグループは環境課題の解決に向け省エネ・省資源で高品質な製品を積極的に開発・販売します。
お客さまとともに
未来を考える
ノーリツグループはお客さまとともに未来を考えイノベーションを通じてクリーンで快適な生活をお届けします。
パートナーシップで
成長を目指す
ノーリツグループはパートナー企業様との連携により社会課題を解決し世界中で選ばれ続ける企業へと成長します。
事業活動と特に関わりの深い「No.13」(気候変動対策)、「No.12」(つくる責任/つかう責任)、「No,9」(技術革新の基盤づくり)、「No,17」(パートナーシップ)の、4つのゴールを重視し、世界をリードする技術で、環境負荷を低減し健康で快適な暮しを実現する新たな価値の提供を目指します。
2030年に向けた課題
※故障停止による支障時間ゼロ
2023年に向けたマテリアリティ
2030年への課題達成に向け、2023年までの中期課題をマテリアリティとして設定しました。
これらのマテリアリティは2回/年のCSR委員会にて進捗を確認し、PDCAを回していきます。
分類 | 課題 | 取り組み | 実行課題 | 2023年目標 |
---|---|---|---|---|
Q | お客さまの安全・安心 | 製品事故ゼロ化 | ・安全の為の点検実施と早期取り替え促進 ・アフターサービス満足度UP (遠隔支援・リアルタイム対応) ・遠隔監視・保守契約の拡大(非住宅) ・故障追跡機能の開発・展開 ・開発効率向上 ・世界展開のための基盤強化 |
製品重大事故ゼロ |
ダウンタイムゼロ化 | ||||
技術開発 | 開発投資効率最大化 | |||
技術の世界展開 | 海外での競争力強化 | |||
E | 気候変動対応 | 高効率商品の拡販 | ・エコ商品の販売構成比UP ・省エネトップランナー対応商品開発 ZEH対応商品開発 ・事業活動を通じたCO2: 2030年50%削減(2018年比)に向けた取組強化 ・製品を通じたCO2: 2030年30%削減(2018年比)に向けた取組強化 ※国内生産品(輸出含む) ・給湯器リサイクル事業の推進 ・事業活動を通じた3R推進 ・調達物流・製品物流の最適化 |
事業活動によるCO2削減▲34.5% (2018年比) 製品によるCO2削減 ▲12.8% (2018年比) 全国生産拠点の廃棄物削減量▲32.4% (2018年比) |
環境配慮型製品の開発 | ||||
CO2削減 | ||||
循環型社会の構築 | 廃棄物削減 | |||
物流機能の最適化 | ||||
S | 社会課題解決型商品の開発・普及 | 新規分野の開拓 | ・社会課題解決型の商品開発 ・見まもり機能付きリモコン拡販 ・除菌機能付き給湯器拡販 ・ラク家事:マルチグリルの拡販 ・未来を切りひらく人材の育成 ・新規提案(新技術・新ビジネスモデル) ・社内外へのQ+ESGの理解・浸透 ・IT活用による業務効率化 ・生産自働化による合理化・効率化 ・有休取得促進 ・サプライチェーン全体への認識拡大 |
・若手定着率 90% ・女性管理職 4% ・Q+ESG理解度80% ・総労働時間:1,925時間(2019年比95%) (ノーリツ単体の実労働時間) ・一次仕入先SAQ100%実施 |
既存技術の進化 | ||||
高付加価値商品の提案・拡販 | ||||
従業員コミュニケーション | 企業風土改革 | |||
人材育成 (イノベーション) |
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人材育成 (Q+ESGの浸透) |
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働き方改革 | ||||
サプライチェーンマネジメント | CSR調達の促進 | |||
G | リスクマネジメント | リスクマネジメントの進化 | ・リスク規模定量化の仕組み構築 ・BCPマニュアルの更新 (リスク分散を含めたサプライヤー選定) ・コンプライアンス課題の設定・実行・調査・振り返りによる意識向上 |
・BCPマニュアルに沿ったサプライチェーンのリスクの回避 ・コンプライアンス意識調査結果90%(4.5点) |
安定供給 | ||||
コンプライアンス | コンプライアンス意識向上 |
マテリアリティ見直しのプロセス
ノーリツは、社会の影響度と事業における影響度の視点からリスク・機会洗い出し、マテリアリティを選定しています。
また、社会・環境の変化に合わせて課題やKPIの見直しを行っています。
リスクと機会
分類 | リスク | 機会 |
---|---|---|
Q | ・経年劣化による事故 ・製品事故により信頼失墜や賠償金の要求 ・バリューチェーンの事故により自社の信頼失墜 ・事業競争力を失い、収益力が低下 ・従業員モチベーション低下による商品開発力低下 |
・製品の安全性や品質確保で、お客さまからの信頼とブランド価値向上 ・管理コストなどの削減 ・従業員のモチベーション向上や人材育成につながる ・品質損金をなくすことで企業価値向上に向けた投資ができる |
E | ・気候変動を引き金とした脱炭素化による市場環境の変化 ・環境規制への対応コストの増大 ・環境法令対応が出来ていない場合、供給が滞り製造が停止する ・法令違反による、回収・無害化に莫大なコスト増 ・レピュテーションの低下による不買運動への発展 |
・脱炭素化による新たな市場が生まれる ・環境優位性のある商品開発により、市場開拓やシェア拡大 ・有害物質に関する安全・安心の付加価値により市場競争力獲得 ・環境意識を高めることで従業員のモチベーションを向上し、良好な社内風土を醸成できる ・環境対応に積極的な企業としてプラスのレピュテーションにつながる |
S | ・調達先の人権侵害が、NPOなどから指摘を受けることで、企業イメージや信頼性が低下する ・人権や環境対応の不備により、安定的な調達に支障をきたす ・労働人口が減少し、優秀な人材の確保が困難になる ・人権団体からの指摘により社会の信用を失う ・人材の育成不足により、企業競争力が低下する ・離職率の上昇により社外評価低下 ・労務コストが上昇 ・グローバルな人材を確保できず、海外での競争力を失う ・従業員のモチベーションの低下はイノベーションが起きにくくなる |
・人権や環境に配慮したサプライチェーンを整備することが、お客さまや社会からの信頼につながる ・グローバルな人権対応で国内外での競争力が高まる ・従業員のモチベーション向上につながる ・定着率向上、技術の確実な継承により確固たる技術力を維持できる ・育児や介護を理由とした離職を防ぎ、優秀人材を確保できる ・従業員が心身ともに健康な状態になることで、仕事へのモチベーションが向上し、生産性が向上する ・イノベーションが起きやすい社内風土を醸成できる |
G | ・次世代経営者の育成不足 ・不測の事態が起こった場合の損害 ・コンプライアンス違反による社会的信用の低下 ・外部からのサイバー攻撃 ・短期視点経営による持続的成長が低下する ・リスクマネジメント不足による事業継続危機の発生 |
・迅速かつ的確な対応で健全な経営ができる ・ステークホルダーや社会からの信用獲得 ・リスクから発生する損失の回避 ・長期視点経営により持続的に成長できる |